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2009年5月18日 ●工業化農業の問題

カテゴリ : 無題

 【土を使わず、農薬なしで育った野菜がスーパーに並ぶようになった。生産しているのは、食品会社や鉄鋼メーカーなどが運営している「植物工場」。まだ栽培できる品種は少なく値段も高いが、天候に左右されず安定的に生産できるメリットもある。「工場育ち」の野菜が食卓の主役になる日は来るのだろうか。
 虫食いのない青々としたレタスが一面に広がる。よく眺めると、レタスはぷかぷかとプールの上に浮かんでいる。オゾンで殺菌した養液が土の役目を果たしているのだ。 茨城県土浦市にあるガラス張りの植物工場。病原菌の侵入を防ぐため、工場に入るには白衣に帽子、長靴を身につけ、手を洗わなければならない。
 徹底した衛生管理で農薬は不要。コンピューター制御で温度や湿度、水温、日照時間を最適に保つため、天候に左右されず、安定した品質の野菜が作れる。生育日数は露地栽培の約半分で、年間最大28回も収穫ができる。
 経営するのは鉄鋼メーカー、JFEホールディングスの関連会社「JFEライフ」。「1年を通じ安定供給できるため、引き合いが増えている」という。80年代半ばに前身の旧川崎製鉄が事業多角化で農業を始めた。 農林水産省と経済産業省の調査では、太陽光との併用タイプを含めた植物工場は全国に50カ所。キユーピーなど食品会社のほか、自治体や農協が設置し主にレタス、サラダ菜、春菊など葉物が生産されている。 麻生太郎首相も9日、千葉県松戸市のマンションの一室を改装した研究会社「みらい」を視察。無農薬のレタスを試食した。

 ◇ネックは価格 通常の倍
 イトーヨーカドー幕張店(千葉市)が売る一部のレタスのパッケージには、「農薬を使わずに水耕栽培しました」の文字。この日特売だった通常のレタスの倍の199円だ。主婦(37)は「高いのはちょっとね」と関心は薄い。 別の主婦(63)は「普通のものは葉の間に砂が残っていることもある。土を使わない不自然さはあるが、きれいなのはいい」と話す。食べてみると普通のレタスより柔らかいが、味に大きな差は感じなかった。 業務用としてレストランやパン屋に出荷され、知らない間に口にすることもありそうだ。和食店をチェーン展開する「大戸屋(おおとや)」は野菜工場の一つと契約。「4月に種まきしたばかり。店に出るのは6月になるだろう」(経営企画部)と話している。 課題は値段と人工的なイメージ。冷暖房などの光熱費や設備の維持費で、価格は露地ものより3割以上高い。 工場産レタスの生産は全体の0.6%と、食卓の主役は依然「露地やハウス野菜」(農水省)だが、農水省は「食料の安定供給につながる」と3年後には工場数を150カ所に増やすことを目標に設定。「施設整備の資金助成や人材育成の支援を検討したい」としている。】

● 大手企業が既存農業に割り込んで工業化農業を目指すようになり、農水省も、それを全面支援し、国内農業を既存産業の利権に供する姿勢を見せている。
 各地で稼働し始めた野菜工場の大半は、資本力のある一部上場大手が生産活動を農業分野にシフトする方針で行っており、既存農業者の市場を荒らす形になっている。その売りは、「高度な科学技術を利用した集中管理による安全野菜」というものだが、日本の官僚や企業家は、こうした「高度な科学技術」というフレーズに、あたかも美しい娘の真っ白な太股を見せつけられたように一発で参ってしまい、従来の大地農産が遅れた不潔なものとの勝手な思いこみから、工業化農業が人類の最先端を走っている救世テクノロジーであるかのように賛美している。

 しかし、それはとんでもない勘違いだ。受験競争を勝ち抜いて役所や企業のトップに立った連中は、自分が選ばれたエリートであると思うことに愉悦快感を抱くように洗脳されていて、自分の特権を担保するシステムを推進したがるものであり、それこそが「最先端の科学技術」という、お粗末な妄想に他ならないのだ。
 官僚や企業家は「最先端」なるレッテルが大好きで、それが、どんなに愚かな結果を招こうが、まずは自分が世界最先端を走る選ばれた人間であると自己満足することを何よりも追求するように仕込まれている。
 そこで原発や工業化農業を推進し、「高度テクノロジーが世界を救う」というような妄想・幻想を大衆に振りまいて、自分がその守護者であって、大衆は自分にひれ伏すべきだと思いこんでいるのである。

 歴史を顧みれば、「最先端のテクノロジー」なるものが、本当に人類を救ったことは皆無であり、それが引き起こしてきた事態は、すべて人類を破滅させるものでしかなかった。
 例えば、原子力がその筆頭であり、それが役だったのは、人類に巨大な悲惨を持ち込むことでしかなかった。広島・長崎・スリーマイル・チェルノブイリ、そして隠された放射能災害、ラ・アーグやセラフィールド、チェリャビンスク・キシュテム事故、最近曝露され始めた中国のウイグル核実験大災害など、すべて、信じがたいほどの深刻な規模、レベルで残酷な悲惨を招いている。人類は核を発見して100年、その成果は電気供給だが、そのもたらした結果は、数億の被曝被害であり、地球環境壊滅、人類滅亡のお膳立てでしかない。

 原子力だけでなく、エリート意識の強い特権者たちの行う事業は、すべて競争主義に支配された愚かで無謀な「最先端志向」のプロジェクトばかりだ。それは、その成果によって民衆を救うという意味では決してなく、担当者の地位を高めリベートや特権を保証するための道具でしかなかった。
 もし数百兆円を超える膨大な予算が投じられてきた原子力開発に換えて、波力・風力・太陽など自然エネルギーの利用研究が推進されていたなら、とっくの昔に我々は安くて安全で、地球環境を保全できる「持続可能な社会生産」を手に入れることができていただろう。
 だが、原子力は、官僚や研究者の利権と原子力産業で効率的な金儲けができると考えた大資本によって徹底的に食い荒らされ、人々の健康破壊、大規模な犠牲、人類の健全な未来と引き替えに、他の自然エネルギー開発を強権で弾圧してまで強固に推進されてきた。
 その本当の意味は、すべての人たちを恐怖で支配することのできる核兵器を所有して、人類に君臨することへの憧れだったにちがいない。大衆を救うことではない、大衆を殺戮する最強の兵器を手に入れたかったのである。

 農業を工業化・効率化して大規模生産を行えば、どういう結果がもたらされるのか?
 それは本当に恐ろしい未来だ。
 まずは、農業が一部独占資本の手に集中することで、既存の農業者は駆逐され、その長い歴史に培われた膨大なノウハウや供給インフラは、すべて破壊されることになるだろう。大企業主導による工業化農業は、必ず、すべての既存農業と農民を根底から駆逐する結果を招くにちがいない。

 その先に、さらに恐ろしい事態が待ち受けている。
 それは、工業化農業を真に支配する種苗産業が、カーギルやモンサントといったユダヤ資本に完全に支配されていることだ。1990年代から現在、すでに、多くの種苗がモンサント(ベトナム戦争における枯葉剤製造会社、三菱が提携)のパテントに基づいたF1ハイパー種に変わっている。ホームセンターや種苗屋で売られている種苗の8割はF1種になっている。その特徴は、旧来種より効率的な結果が得られるということだが、恐るべき副作用がある。
http://blog.goo.ne.jp/ca-garden/e/e338b52d86a0302f68196d0e77ed6c55
 それは、二世代目に矮小化するため、作物から種が取れないということだ。おまけに、それは旧来種と交雑した瞬間、歴史的な種苗、旧来種まで種が取れない性質に変化するということだ。これについて、筆者は1980年代に行われたビルダーバーグ会議により、人類人口淘汰の手段として決定され、実現したと曝露してきたが、その恐るべき意味を本当に理解できる人は非常に少ない。

 工業化農業では、すべて、このF1種が利用され、種が取れないという性質から、種苗供給が停止した瞬間、それは生産不能になる。国内の種苗メーカーも、すべてモンサントやカーギルのパテントに支配され、事実上彼らの子会社であるため、大本で供給停止になれば、世界中、どこからも種苗を手に入れることができなくなる。そして旧来種に換えようとしたそのとき、我々は、その真の意味を思い知らされることになる。
 もはや交雑が進み、旧来種であっても、ほとんど種が取れないのだ。そうなれば、あらゆる農業生産がストップすることになる!

 それだけでない。実は、工業化農業には非常に大きな本質的欠陥がある。それは生物の突然変異性ということで、生命というものは、雑多な環境のなかで進化してきたもので、適応性が高く、与えられた環境のなかで勝手に独自の進化を遂げる性質がある。
 工業的に管理された一定の環境のなかでも、どんどん変異進化を遂げてゆく。自然界では、そうした変異進化を土壌が受け止めてきて、その最大公約数的作物が現在の歴史的農作物であって、旧品種は実に数百年、数千年の淘汰進化に対応し、土壌との相互作用でバランスの良い品種として定着したものだ。
 ところがモンサント種苗や液肥水耕栽培システムでは、一時的に優秀な生産を確保できたとしても、その歴史はたかが数年であって、旧品種旧来農業における安定性とは比較にならないほど不安定で、突如、病気や品種の暴走が起きて生産不能、抑制が起きる可能性が強いのである。

 これは、あらゆる科学技術に共通する本質的欠陥であって、数百数千年の伝統を持たず、薄っぺらな理屈や数年の経験的成果だけで、うまくいったように見えても、それが永続的に保証される可能性などほとんどないのである。
 したがって工業化農業の多くは、数年間は素晴らしい生産量を上げることができても、生物の多様性、変異進化に対応しきれずに滅び去るだろうと筆者は予想している。しかし、そのとき、すでに古き良き農業は駆逐されて存在しないのだ。

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