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2009年10月7日 ● 大恐慌の本当の意味 その3

カテゴリ : 無題


 大恐慌の本当の意味 その3

 今、地上にいる、たくさんの人々が大恐慌に打ちのめされ、職を追われ、家を追われ、食事もできないほど追いつめられている。
 都市には窃盗・強盗が激増していて、やがて、我々は路傍に餓死者が無数に横たわる光景を見せつけられることになるだろう。
 その脇を数千万円もする高級車が疾走してゆく、人の苦しみに目もくれず。
 ああ、その車を軽自動車にすれば、差額で数万人の食事を作れるのに・・・・。

 職安に行っても仕事はない。失業給付が終われば、もう手持ちのカネもなく、他人の財産を奪う以外に生き延びる方法が見あたらない。
 生きるためには道徳も倫理もない、キレイゴトの屁理屈は餓死しか生まないのだ。生き抜くことが正義なのだ。誰も助けてくれないなら、奪ってでも生き延びることを誰が非難できるというのか?

 しかし、そんなことまでして生き延びたくない良心のある人たちは、次々に自殺してゆく。もうすぐ年間、数十万人の自殺社会がやってくるだろう。
 社会は地獄の様相を見せはじめた。こんな社会に誰がした?

 こうした、ひどい格差社会をもたらしたのは、小泉・竹中に代表される自民党政権(市場原理主義者)だが、それを喜んで支持した人たちにこそ最大の責任がある。
 人が困っていても、自分の蓄財だけに夢中になって決して助けようとしない人たち、他人を自分の金儲けに利用することしか考えられない人たち。
 「自己責任」ばかり声高に主張するが、自分が投機に失敗したなら、政府に尻ぬぐいさせようとする人たち、自分の利益のためだけに人々を追いつめてきた金儲け亡者の群れ。こんな人たちが、この地獄社会を作り出したのだ。

 考えてみよ、この数十年、大金持ちから主婦まで投機に夢中になった。しかし、株や投機の本質は「ゼロサムゲーム」なのだ。市場のカネの総量は変わらない。誰かが儲かれば、その分、誰かが損をするバクチゲームなのだ。本当に儲かるのは胴元だけというのがバクチの本質だ。
 こんな愚かな出し抜き合いゲームに夢中になっていた日本人が滅びないはずはない。バクチ打ちが社会を良くできるとでもいうのか?
 小泉純一郎はアメリカに追従する「金融立国」を実現した。つまり日本をバクチ国家に変えたのだ。

 世の中が、こんなひどいことになるのは、実はダイエーが事実上破綻し、山一証券が倒産した今から20年前の1990年ころには十分、予想がついたことだった。
 このころまで、人間社会を本当に支えているのは、他人を大切にし、その笑顔を生きがいにする人情であると見抜いていた人たちがたくさんいた。人間の真の値打ちは、地位、権力や財産ではなく、他人に暖かくすることだと、みんなが知っていた時代が続いていたのだ。

 しかし、戦争や貧困の苦労を経験した世代が寿命で死に絶え、苦労を知らない世代が中心になった日本社会にカネが溢れ、人々が豊かになるにつれ、人々が自分を本当に支えてくれてきたもの、一番大切にしなければならないものを見失ってしまったのだ。
 金儲けに夢中になってしまい、人情を忘れてしまったのだ。決して失ってはならない真の財産を見失ってしまったのだ。
 食べものを分かち合った貧しかった時代に、人情を見失うものはいなかった。食が余り、ゴミ箱に捨てられるようになったとき人情も忘れられたのだ。

 バブル経済の爛熟した1990年ころ、一緒に苦楽を分かち合うこともせず、助け合って生きようとせず、自分は選ばれた特別の存在であって、他人を家畜のように利用して財産や特権を獲得することが正義だと勘違いした人たちが社会の半数を超えた。
 これで社会が破滅しないはずはなかった。どうして、人々がそんな勘違いをするようになり、社会を破滅させてしまったのか?

 この原因を十分に確認して反省し、その教訓を子供たち、次世代に受け継いでいかなければ決して社会が良くなることはない。
 大恐慌を克服する第一歩は、何が間違っていたのか? きちんと答えを見つけることなのだ。そして、子供たちに、我々の犯した間違いを繰り返させないように伝えよう。社会がうまく機能するために一番必要なものは何だったのか?

 人々が、どうして人情を軽視するようになり、とうとう見失ってしまったのか?
 暖かい人情よりも冷たい札束や豪邸、高級車を欲すようになってしまったのか? 疲れを癒してくれる心暖かい妻よりも、見てくれだけの中味のない妻を欲すようになったのか? 人情に溢れた優しい夫よりもイケメンのカッコいい軽薄夫を欲すようになったのか?
 優れた機能性と安い価格の良質な製品よりも、有名で高いだけのブランド品を欲するようになったのか?
 なぜ、見せかけだけ豊かだが、心の中は空疎で貧しい社会を作り出してしまったのか?

 その最大の原因は、資本主義のもたらした競争原理であり、資本主義社会における立身出世、蓄財や権力を最高の価値と勘違いさせた教育体制にあった。
 戦後、我々日本人は、幼稚園や小学校から、「子供たちは競争に勝つことが価値」だと洗脳され続けてきた。競争に負ける者は、みんなからイジメを受け、徹底的に小馬鹿にされて惨めな思いを味あわされてきた。

 そんな教育体制を作ったのは、「強い日本、エライ日本人」の幻想に溺れて、戦争を反省できず、天皇を頂点に、被差別者、受刑者を底辺に据えた人間の差別序列の価値観に洗脳された人たちだった。
 例えば正力松太郎・岸信介・笹川良一・中曽根康弘といった人たちだ。
 彼らは、いずれも戦前は国家の権威に憧れて「大きな強い日本」を目指していながら、敗戦時にはアメリカに魂を売ってCIAのスパイになった。また統一教会と連携して、国際反共組織を作って、たくさんの人たちを謀略でひどい目に遭わせ、社会主義の芽をつみ取っていった。
 権力を利用して自分の権力と蓄財を拡大することだけを生き甲斐にした人たちだった。
 彼らの目指すものは「エライ人」であり「エライ国」であった。

 「本当にエライ人なんかいるのか?」
 いるはずがない。人に貴賤の差などあるはずがない。みんな同じ人間なのだ。みんな同じように、この土地に生まれ、同じように死んでゆくのだ。
 そこに無理矢理、貴賤の序列をでっちあげ、天皇や上流階級を神聖視させて、対極にいる被差別民や受刑者たちを侮蔑する心の価値体系を作り出したのだ。
 そんな愚劣な価値観を、教育制度によって国民に洗脳したのだ。日本人は、これによって立身出世の階段を上ることだけが人生の価値と勘違いするようになった。

 「ちょっとでもエライ人になりたい!」
 財産の多い人、権力の多い人、とりあえず学歴の高い人、高級車に乗っている人、豪邸に住んでいる人、人々は、みんなから「エライ人に思われたい」と、一生懸命、そうした価値を目指す競争に明け暮れるようになった。

 こんな差別価値観に洗脳された人たちは、どのような人間性になるのか?
 人と出会ったとき、相手が、自分より上か下かだけに関心が向くことになり、上だと思えば卑屈になり、下だと思えば傲慢になるような人間のクズができあがるのだ。
 日本中、そんな人ばかりになってしまった。「相手が自分より上か下か」品定めするような下劣な人格の人たちが、そうした愚か者の総本山、自民党を参拝するようになった。
 企業経営者、政治家、官僚たちは、こうした愚かな人間性の持ち主ばかりになってしまった。

 彼らが相手を品定めする基準は何だったのか?
 それは地位・権力であり財産の多寡であり、見てくれであった。これが人間の目指すべき価値であると信じこみ、官僚たちは教育体制に、そうした洗脳教育を持ち込んだのだ。
 一番大切な価値は、相手に優しくし、相手の気持ちを大切にすることではなく、財産や権力をたくさん持っている「エライ人」になることだと子供たちに思いこませるために、徹底的な競争を持ち込み、敗者、劣等者を蔑視することを強要したのだ。

 そうして、日本国民は、他人に小馬鹿にされないよう、一生懸命、蓄財し、学歴・高級車・豪邸・ブランド品・美人妻・イケメン夫などという虚飾に憧れるようになった。
 そうして、ゼロサムゲームの株や投機に夢中になり、自分がトクをすれば誰かがソンをするというのに、金儲けゲームに興じるようになった。
 これで国が滅びないはずはない。そう、そうして日本国は滅びの道を歩み始めたのだ。
 投機で儲けるということは、バクチに身を売ることであり、他人の損の上に儲けて高笑いするということであり、すなわち、人への思いやりから築かれた自分の人間性を売り飛ばすということなのだ。だから、人々は金儲けのために、どんな冷酷なことでも平気でやるようになった。

 こんな人たちが増えた結果、日本はどうなったのか?
 かつて、半世紀前なら、道端に誰かが倒れていたなら、寄ってたかって、みんなで助けて病院に運んだものだ。だが、今では人が倒れていても誰も見向きもしない。せいぜい警察に電話して、「邪魔な死骸を片付けろ」と要求するくらいだ。
 人の人情につけこんで金儲けを始めるクズが激増した。民家を訪れる訪問セールスの99%は詐欺師になった。
 企業は人々の見栄張りを煽り、虚飾を煽り、詐欺で儲けるようになった。若者たちは、そんな大人たちと企業の姿勢を見て、詐欺で金儲けすることが正しい人生なのだと勘違いするようになった。
 どんな汚い手を使っても、儲けた者が勝ちだと勘違いしてしまったのだ。

 例えばトヨタ自動車は、創業以来、人々の役に立つ、良い車を作って社会に貢献したいと思い、丈夫で安い、使いやすい車を作って日本社会に貢献してきた。
 このとき大衆はトヨタを支持し、どんどん拡大していった。
 ところが、会社が大きくなると、奥田・張なんて威張り腐った輩がトップに立ち、大衆の利益など関心がなくなり、ひたすら金儲けと、権威と、世界一の称号を得たいと願い高級車レクサス部門を立ち上げた。
 彼らは大衆を軽視、蔑視し、金儲けと陣取り合戦、一番合戦以外目に入らない愚かな経営者だった。

 そうした拡大路線の結果、今、どうなったか?
 そのレクサスが世界の民衆から相手にされなくなり、トヨタを滅ぼそうとしている。そのことに気づかない限り、トヨタは叩かれ、打ちのめされて弱体化し、あげくGMに買収されることになるだろう。

 同じように、日本のすべての企業は、日本国民のために役に立とうと経営されてきたものが、戦国時代のような領土拡張合戦と、一番の称号合戦、陣取りゲームに夢中になった愚劣な経営者が、ただ金儲けだけを唯一の目的に変えてしまい、国民の利益を忘れてしまった。
 ダイエー、山一証券が、そのようにして潰れても、その意味を理解できず、イオンが、トヨタ・ホンダが、HC産業が、ユニクロが、全国チェーン拡大の経営者たちが戦国領土合戦さながらに、金儲けと拡大を目指した。
 ちょっと景気が悪くなると、人々をリストラで追放し、外国の人件費が安いとなれば、日本国家の庇護による成長という恩を忘れて、日本人従業員を解雇して外国に行ってしまった。
 こんなことをしていれば、どうなるか?

 金儲けだけを目的にした企業は、金儲けのために潰される運命でしかない。これからトヨタが、その見本を示してくれるだろう。「大衆に役立つ」という企業の使命を見失った会社が、どのような運命になるのか?
 人情に支えられて生きてきながら、その人情を見失った日本国民が、これからどのような運命になるのか?
 我々は、恐るべき現実を、見せつけられようとしているのである。

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