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 蝗害

カテゴリ : 未分類

 「・・・ある日南の空に、小さなかすかな雲が見えだした。はじめは地平線上に小さく、霞のように見えた。風に吹かれる雲のようにあちこち動くのではなく、じっととまっていたのだが、やがてそれが扇形にひろがりはじめた」
 (パールバック・大地より)

 旧約聖書 出エジプト記 10章 04-06節

 もしもあなたが私の民を去らせることを拒むのなら、私は明日、あなたの領土にばったを送り込む。ばったが地の面を覆い、地面を見ることができなくなる。そしてそれは、雹を免れて残されていたものを食い尽くし、野に生えているあなたがたの木をすべて食い尽くす。

 さらに、あなたの家、家臣の家、すべてのエジプト人の家に溢れる。あなたの先祖たちも、先祖の先祖たちも、この土地に住むようになってから今日まで見たことのないものである。
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 蝗害 ウィキペディア
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%9D%97%E5%AE%B3

 風に吹き飛ばされて来た死んだバッタを前触れとして、バッタは空一面にひろがり、土地一面を覆い、主としてイネ科植物を食い荒らす。そして食糧がなくなると、次の緑地に向かって去って行く。
 (註=イネ科植物は、主食作物の大半を占める。トウモロコシ・米・麦・稗・粟などだが、有毒なナス科の馬鈴薯やトマトまで食害するといわれる。

  作物の畑全体が、わずか 30秒ほどですべてイナゴの大群に食い尽くされる(ケニア)

 今、北アフリカから中国までの広大な大地で、バッタの集団発生と移動が起きていて、これは、場合によっては新型コロナウイルス肺炎より桁違いに大変な事態と認識されている。何せ、人間の食料を食い尽くしてしまうのだから。
 これは、場合によっては、国家間戦争よりも大変な結果をもたらすかもしれない。

 アフリカ東部、バッタの大発生で食糧危機 2020.2.18
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200218/mcb2002180500005-n1.htm

 https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200220-00032395-forbes-int

 https://indeep.jp/we-are-in-the-bibilical-locust-crisis/

 「1時間で三万人分の食料を食い尽くす」といわれるバッタの大群が、北アフリカから中東を経てインドへ、そして中国に向かって移動している。
 2020年2月22日の時点でイナゴの大群の発生が確認されている国と地域
 ケニア、ソマリア、エリトリア、エチオピア、スーダン、マリ、モーリタニア、モロッコ、アルジェリア、タンザニア、マダガスカル、ジブチ、ウガンダ、エリトリア、オマーン、イラン、イエメン、オマーン、バーレーン、カタール、エジプト、クウェート、サウジアラビア、パキスタン、インド

 北アフリカにおける蝗害の実態
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/300/421154.html

 サバクトビバッタと呼ばれ体長は5センチほどで、1日に自分の体重と同じ量の植物を食べます。ケニアでは1千億匹から2千億匹のバッタに主食のメイズやソルガムなどの穀物が食い荒らされ、過去70年で最悪の被害となっています。

 ソマリアでは農作物が壊滅したとして今月はじめ非常事態が宣言され、エチオピアでは旅客機が緊急着陸を強いられました。すでに被害は7つの国に広がっています。
 アフリカは人口増加と異常気象、紛争などによって慢性的な食料不足に陥っていますが、そこにバッタによる被害が追い打ちをかけ、FAO・国連食糧農業機関によれば1300万人以上が深刻な食料不足に陥っているということです。

 バッタの大量発生による深刻な被害を「蝗害」と呼びますが、FAOは今世紀初の「蝗害」になる可能性もあると警戒しています。

 「蝗害(こうがい、バッタ類の大量発生による災害)はアフリカ東部で拡大し続けている。バッタは紅海を超えてイランやパキスタン、インドといった南西アジアの国々にも移動しているほか、現時点においてケニア、エチオピア、ソマリアでは、総数が3600億匹に達している。このまま放置すれば、その数は6月までにさらに500倍になる可能性がある」

 3600億×500=1800兆 500億匹で11万トンというデータがあるので、その36000倍は、40億トン? 

1870年代にネブラスカ州を襲ったロッキートビバッタの群れの大きさは、幅160キロメートル、長さ500キロメートルである(この面積は日本の本州全面積の3分の1ほどである)。平均高さ800メートル、場所によっては1600メートルであったと報告されている。(ウィキ蝗害より)

 トビバッタという群生相は、一日に自分の体重と同じ程度の植物を食べるので、仮に40億トンのトビバッタが、移動すると、毎日数億トンの食料が失われてゆくことになる。 したがって、「蝗害」発生地域では、莫大な食料が失われ、歴史的な大飢饉が発生することになる。また、地面に産卵するので、数年間は、繰り返し大量のバッタが発生する。

 中国では、歴史的な蝗害が「中国蝗災史」としてまとめられるほど数多い。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E8%9D%97%E7%81%BD%E5%8F%B2
 蝗害の後に来る食糧危機による死者数の記録は少ないものの、おそらく数万~数百万人の死亡があったことだろう。

 1958年の大躍進時代には、毛沢東が「雀による食害を防ぐため、すべての雀を殺す」という馬鹿げた対策を強要したため、凄まじい害虫禍が起きて、蝗害も発生した。
 2005年夏には海南省を飛蝗が襲っており、1平方メートルあたり350-500匹、飛来面積は220万畝に上った。
 これは海南省が出来て以来最悪の記録となった。そのうちの農地は100万畝であり、この年の稲の収穫はほぼ絶望的となった。被害を与えたのはトノサマバッタの一種。

 このとき、中国では、一部でアヒルを利用した駆除対策が行われ、大きな成功を収めたといわれる。
 https://www.youtube.com/watch?v=6u9Dys7T08o

 現在、中国に隣接したパキスタンが深刻な状態となっているが、中国当局は、中国にイナゴが侵入することを想定しているようで、中国政府はパキスタンとの国境近くに、「アヒル部隊」を集結させている。
 4000億匹のバッタが中国に侵入しようと、していることに対し、当局は、10万羽のアヒルを投入している。

 パキスタン政府は、現時点で、すでに「国全体の 40%の作物を失った」と発表しており、しかも、イナゴの状況は悪化し続けていまして、このままでは「作物を何もかも失ってしまう可能性がある」という。

 国連食糧農業機関(FAO)の報告では、2020年6月までに、イナゴの数が現在の 400倍から 500倍に膨れあがる可能性を指摘している。
Biblical plague of LOCUSTS to bulge to 500 times their size in Africa, warns expert
Express 2020/02/14

 国連は、イナゴの被害について、ケニアでは過去 70年間で見た中で最も深刻だと警告する声明を発表した。現在、ひとつの都市ほどの面積のあるイナゴの群れがケニア、エチオピア、ソマリアなどの東アフリカを席巻している。

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 日本列島における蝗害の記録(ウィキ蝗害より)

 807年(大同2年)に成立した『古語拾遺』には、大地主神が御年神から蝗害防止の祭事を教わった話が載る。
 桑原和男は『古語拾遺』804年(延暦23年)の条から銅鐸にある絵柄の一つは蝗害防止の祭事ではないかと仮説を立てている。

 874年(貞観16年)には伊勢国で「其頭赤如丹。背青黒。腹斑駮。大者一寸五分。小者一寸」と描写される「蝗」に1日数ヘクタールが食害されており(『日本三代実録』)、これはイナゴの被害と見られている。また、1017年(寛仁元年)には越前・摂津・近江など蝗害のため、蝗虫御祈諸社奉幣使を使わした記録がある(『小右記』)。

 享保年間、特に1732年(享保17年)前後に起きた蝗害が大きい。
 防長両国の蝗害高は29万2740石余、松江藩では収穫は7割程落ち込んだとされ、伊予和気郡松山藩では3400人の死者が出たとされる。
 なお、『徳川実紀』にはこの蝗害のために餓死した人間を96万9900人と書き記しており、46藩合計で236万石の所、収穫は62万8000余石足らずであったと言う。

 厳島神社には1750年(寛延3年)、同1753年(宝暦3年)に蝗害発生による祈祷を行った記録が残っているほか、1749年(寛延2年)には冷害と蝗害により東北地方が大飢饉となり、肥前唐津藩では1768年(明和5年)に蝗害が起きた記録が、1740年(元文5年)には伊勢国紀州藩領で108村が蝗害のための減免を強訴した記録があり、1770年(明和7年)に関東各地で、1780年(安永9年)に出雲松江藩で蝗害の記録が、1819年(文政2年)11月には大里郡佐谷田村(現埼玉県)にて蝗害駆除の祈願が行われた旨がそれぞれの町史や市史、県史に見る事ができる。

 大蔵永常の1826年(文政9年)の農業書である『除蝗録』はウンカについての記述と見られる。なお、記録が多い筑紫国の蝗害は、1627年(寛永4年)から1868年(慶応4年)の間に33回も蝗害の記述がある。

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 引用以上、つまり、日本でも、決して蝗害と無縁ではない。仮に今回、中国が蝗害対策に失敗した場合、現在で4000億匹といわれる規模のバッタが、日本海や黃海を易々と超えて、日本列島に飛来する可能性は小さくない。
 日本政府には、あまり利口な人物がいないので、すぐに化学薬品による駆除に頼りたがるだろうが、一度、大規模に殺虫剤を使うと、その成分は、数年以上残り、さまざまな障害を引き起こす可能性がある。

 中国のように、まだアヒルを使った駆除を大規模に行った方が、はるかにマシだが、日本政府官僚や政治家たちのように人為的工作に頼って、自然の摂理を軽視する連中が多い社会では、むしろ残存農薬による被害を今から考えるべきだろう。
 厚労省あたりは、農薬空中散布を復活させることも十分にありうる。

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