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 監視国家の現実

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  私が中学生になるころ、娯楽といえばテレビだったのだが、群を抜いて面白い番組があった。
 「プリズナー6」という。
  https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%8A%E3%83%BCNo.6

 このドラマの面白さは、最後まで主人公を監視し、拘束する組織の正体が分からないことだった。いったい誰が? 何の目的で、一人の諜報員を拘束し、暴力的に監視し続けるのか?
 ストーリーは、極めて哲学的な示唆に富んだもので視聴者を惹きつけた。

 この番組は、イギリスで制作されたものだったが、そのイギリスは、中国共産党の監視社会が成立するまでは、世界一の監視国家だった。
 2月2日、ロンドンで仮釈放中の、イスラム国思想の影響を受けたテロ活動家が単独で3名を刺傷し、直後に、監視中だった警官に射殺された。
 https://www.bbc.com/japanese/51352236

 容疑者は、世界一といわれる密度の監視カメラで追跡され、テロ行動と同時に近くにいた警官が駆けつけて射殺したのだが、その対応の早さに驚かされた。
 
 いつも誰かに見られている、超監視社会ロンドン
人口1人当たりの監視カメラの台数で、ロンドンは世界トップだという
 https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/18/032300130/

 このニュースを見て、プリズナー6を思い出したのは、私一人ではないだろう。
 イギリスは、オーウェルの「1984年」監視社会を実現した、最初の国だった。
 https://ja.wikipedia.org/wiki/1984%E5%B9%B4_(%E5%B0%8F%E8%AA%AC)

 なぜ、イギリスが、かほどの監視体制を必要とする国だったのか?
 それは、歴史的な、もの凄い格差社会であり、社会資本や人的資源の流動性がなく、人々は、支配階級と被支配階級(奴隷階級)に歴史的に固定され、体制に対する憤懣をぶちまける手段が、テロしか残されていなかったからだろう。

 それは、最初に民族的対立のなかで起きていた。
 
アイルランド共和軍
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%85%B1%E5%92%8C%E8%BB%8D

 イギリスは「テロとの百年戦争」の最中にある ロンドンは、ずっと過激派の標的だった
 https://toyokeizai.net/articles/-/96503

 私の世代は、イギリスがIRAによって、激しいテロの標的にされ続け、ちょうど、中東の無差別自爆テロのモデルになっていたような時代が長く続いたことを知っている。
 だから、ロンドンでテロが繰り返されても、イギリス国民は、日常的風景として大きな驚きを持たないのである。

 イギリスは民主主義国家などと言われるが、実態は、王室と特権階級による独裁社会である。
 人々の身分は、生まれた家や土地によって定まり、土地の所有権すら、英王室と地方領主貴族が大半を独占し、ほとんどの英国民が小作人=農奴に貶められている。 
http://www2.ashitech.ac.jp/civil/yanase/essay/no07.pdf

 生産手段を持たない小作人の家に生まれたなら、社会全体の硬直した価値観によって、底辺の労働者階級としての人生以外の選択肢はない。
 これは移民に対しては、より苛酷であり、だから、移民でテロに走る若者が多いのである。
 これに対して、支配階級は監視と法的な弾圧で対抗してきた。
 イギリスにおける監視社会とは、固定された領主が、自由を求める底辺庶民の怒りを封じ込めるためのシステムであった。

 現在、体制の利権を固定し、庶民の怒りを封じ込めるためのシステムを、世界でもっとも必要としているのが、中国共産党社会である。

 新型肺炎対策にドローン、中国が誇示する監視国家の姿 ロイター2月3日
 https://jp.reuters.com/article/column-apps-idJPKBN1ZY0CI

 以下引用

 先週のある日、中国・成都市の路上に住民数人が集まって座っていた。小さなドローンが近づいて空中停止すると、話し始めた。
  
「感染症が広がっているときの屋外麻雀は禁止されています」ドローンから声がする。「見つかっていますよ。麻雀をやめて今すぐそこを離れなさい」、「子どもさん、ドローンを見てはいけません。お父さんに今すぐ離れるように言いなさい」。

 新型コロナウイルスの感染拡大抑止に向けたドローンの「創造的な活用法」だと中国共産党系英字紙グローバル・タイムズが報じたこの動画は、海外の多くの人々にとっては未来のディストピア(暗黒世界)の1シーンに映るかもしれない。

 しかし中国政府指導部が、これを誇るべきことと考えているのは明らかだ。動画は中国のソーシャルメディアで拡散され、英語メディアで海外にも紹介された。

 この一件は、2つの重要なことを示していそうだ。第1に、中国はあらゆる手段を駆使して新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めようとしているだけでなく、これを機に世界一高度な監視国家である自らの能力を強化し、誇示する可能性が十分にあるということだ。

 第2の点は言うまでもないが、小型で無人の媒体やプラットフォームが、大衆の監視だけでなく、直接的な社会統制の手段としても急速に普及しつつあることが鮮明になった。この傾向は独裁主義的な国々以外にも広がる可能性が高く、民主主義国家はこの点について、これまで努力してきたよりずっと公開かつ参加しやすい議論を積極的に行っていく必要がある。

 <法の執行>

 法の執行や警備体制が手いっぱいの国々は既に多いため、こうした機器が活用されるのは目に見えている。ロンドンで2日、最近釈放されたばかりのイスラム過激派思想の男に2人が刃物で切りつけられた事件では、危険と見なされる人物を追跡する当局の能力に疑問が投げ掛けられた。顔認識ソフトウエアなどの自動化技術を使えば追跡はもっと容易になるが、多くの人々を不安にさせるのも間違いない。

 米国ではカリフォルニア州のオークランドやバークリーなど、いくつかの市や町が法執行機関による顔認識技術の利用を禁じている。他にも管理を強化している州や地域があるが、米国および西側世界の大半の地域では、ほぼ気付かれず、議論もされないままに新たな監視技術が次々と導入されている。

 中東地域などでの米軍の活動では、武器を搭載する大型無人ドローンが何年も前から主役を演じている。米国が始めたことに、中国はしばしば追随するため、サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など、米国からのドローン輸出が制限され不満を抱く国々にとって、中国は武装ドローンの主な供給源になっている。

 米国防高等研究計画局(DARPA)は昨年8月、ジョージア州フォート・ベニングの米軍訓練施設で、ドローンの集団を使って特定の建物内─この場合は市庁舎の想定だった─の特定の対象を見つけ、監視するという最新技術を披露した。250ものドローンがたった1人のオペレーターにコントロールされ、あるいは機体が個々に独立して動作するといったことを可能にするのが狙い。こうした水準の移動式監視は以前なら不可能だった。

<ドローン技術>

 中国は数十年前からドローンと監視技術に資源を投入してきた。2018年、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、見た目や動きを鳩などの鳥に似せた無人ドローンについても、中国が開発中だと報じた。国境地帯や、イスラム教徒への弾圧で知られる新疆ウイグル自治区で既に活用中だという。

 同紙によると、このドローンは羊の群れの上を飛ばしても羊たちが飛行物体に騒がないほどの性能が証明されている。羊は通常、飛行機に非常に敏感に反応する。中国政府がこの技術をカメラや顔認識データベースなど、他の監視手段と組み合わせて使おうと考えているのはほぼ間違いない。中国は他に、歩き方の癖で人を認識するシステムなども開発中だと報じられている。

 ただ、冒頭のグローバル・タイムズが報じた動画は、明らかに人間がコントロールしており、声は拡声器から流されていた。江蘇省の別の動画では、婦人警察官が横断歩道でドローンを使い、通行人がマスクを着用しているかをチェックしていた。「電話中のハンサムなお兄さん、マスクはどうしましたか。着けて下さいよ」と拡声器から呼びかける。「食べ歩き中のお嬢さんたち、マスクを着けて下さいね。おうちに帰れば食べられますよ」。

 こうした光景を見ると、旧東ドイツのような、かつての監視国家のように、中国もまだ人間による人間の監視に頼っているようだ。しかし状況は急速に変わりつつある。人工知能(AI)のアルゴリズムと、過去に蓄積された膨大なデータの組み合わせがターゲティング広告を一変させたのは周知の事実だ。

 グローバル・タイムズによると、春節(旧正月)の催しが中止になり、自宅にこもる中国の人々にとって、成都市の動画は格好の娯楽となっている。動画が本物かどうかは別の問題だが、世界中も思ったより早く、同じような課題に直面するかもしれない。

*****************************************************************
 引用以上

 こうしたドローン監視社会は、いずれ、日本や欧州にも拡大することは間違いなさそうだ。社会全体に格差と差別の固定した社会では、必ず底辺の人々に矛盾がしわ寄せされ、やり場のない憤懣が貯まってゆく。
 あらゆる手段で、こうした不満・憤懣が抑圧されるなら、最期は必ずテロ暴発に向かうのが人間社会の法則である。

 固定された特権階級=一級国民は、何が怖いかといえばテロが怖い。直接、個人が狙われるテロリズムでは、特権階級にとって逃げ道がないのだ。
 だから、社会の個人的暴発を防ぐための監視と弾圧に、持てる最大の力を注ぐことになる。これは、世界中で同じことなのだ。

 ただ、知っておいてもらいたいことは、本当は、「無差別テロ」を戦略として用いる政治思想は存在しない。例えば、中東や欧州で横行している無差別自爆テロは、ほとんどの場合、イスラエル=モサドが背後にいると考えるべきだ。

 イスラエルは、旧約聖書創世記に記された「イスラエル人に約束の地を与える」という文言に脅迫されて、ユーフラテスとナイルの間の広大な土地をイスラエルにするシオニズム運動(大イスラエル主義)を行っていて、このため、この地域の人々を自爆テロによって追い出す作戦を実現しているのである。
 イスラムの若者が、モサドの陰謀作戦によって洗脳され、自爆テロに利用されているのが真実である。
 本当の民族テロに自爆作戦は存在しない。ただIRAのようなテロが存在するだけだ。

 しかし、どちらにせよ、特権階級がテロ被害を防止しようとすれば、電子機器による監視を強化し、住民統制支配をAI化する方向に進むのは間違いない。
 こうした電子監視が誰に利益をもたらすのかといえば、少なくとも民衆には利益はない。財産と特権を守ろうとする特権階級に大きな利益をもたらすだけなのだ。

 しかし、こうした発想には、大きな落とし穴がある。
 監視社会を強化すれば、ますます個人の人権はいびつに弾圧され、住民の生活は極端に息苦しくなってゆく。
 こんな苦しい社会から、人間を解放しようとする思想が湧き上がってくるのが自然の成り行きである。

 だから、中国でも英国でも、監視社会の眼をくぐった裏社会の秩序ができあがってゆくことが避けられない。
 かつての中国の主役は、青幇・紅幇に代表される裏社会の秘密結社だった。例えば、戦前は、青幇は国民党軍と重なっていて、蒋介石は、どちらもの頭目だった。
 通州事件・南京事件の大虐殺の命令者は蒋介石だった。

 監視社会の背後では、再び、青幇=蒋介石のような人物がのし上がってくる必然性があり、中国人は、表の監視社会に従うフリをしながら、実は、裏の秘密結社に帰依するというような人生を送る者が激増することだろう。
 
 それに、米中軍事衝突が起きれば、最初に、両国ともに、必ずEMP核爆弾を上空400Kmで爆発させ、相手の電子機器をすべて破壊するところから戦争が始まるのである。
 もちろん、日本上空でもEMPが爆発することだろう。

 EMP爆発の瞬間から、コンピュータ機器、AI機器、監視機器は、すべて破壊される。本当に生身の人間による第二次世界大戦以前の戦争に戻ることになる。
 このとき、はたして中国共産党は、どの程度の実力を発揮できるのか、極めて面白い見物である。
 おそらく、共産党も軍も、利権によって完全に腐敗しきっているので、統制もとれずに大混乱に陥るのではないだろうか?

 現在の中国の戦争システムは、一人っ子政策で、屈強の男子がいなくなった社会のなか、ほぼコンピュータに依存しきっていて、コンピュータや監視機器が破壊されたとき、何が起きるのか? 考えてみればいい。

Appendix

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