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人生に美学は通らない 新自由主義社会の慣れの果てに……

カテゴリ : 未分類
 
  母は、大正14年に新潟市で生まれて、国鉄の花形機関士だった父と戦争直前に結ばれた。
 結婚に至った理由は、当時の「結婚仲介システム」の主役の一つだった「文通」だったそうだ。
 安全で日本でも有数の豊かな食料資源に恵まれた新潟から、ろくな食料もなく、軍需産業が多いので爆弾の落ちる名古屋に嫁いできて、すぐに父は徴兵された。

 父の大隊は、中支戦線からビルマに向かい、日本軍事史上最悪の司令官と名高い、牟田口廉也のインパール作戦に放りこまれた。
 少しだけ英語が話せたので、英軍との交渉に当たる中で捕虜となり、偶然に近い確率で生き延びることができた。
 体重が30Kgを切るほどに痩せて、死神のような姿で舞鶴港に帰還したそうだ。

 その父も数年前に老衰で死に、残された母は、誤嚥性肺炎で長期の入院を繰り返すことが多くなった。
 もう95歳を超えているが、数年前までは認知症を感じさせないほど明瞭な頭脳を見せていた。新潟にいるころは、とても優秀な学業成績だったそうだ。
 だが、新潟は戦前、日本一人口が多い農業県だったので、母は、実家を追い出されるように嫁ぎ出るしかなかった。

 入院していて、何度も命の危機を乗り越えてきたのだが、やはり去年あたりから老人ボケというか、認知症の症状が現れるようになった。
 新型コロナによる面会制限の時期を除いて、ほぼ毎週、面会に行ってたのだが、今では、自分の子供を認識するのにも時間がかかるようになった。

 母が私を認識すると、話し出すことは、
 「お父ちゃんが、女を作って、子供を産ませてお菓子屋さんをやらせていたんだって」 というような、父に対する積年の恨み辛みが、さまざまな、しかも実にリアルな妄想になって噴き出してくるのだ。
 母の想像力を生かせれば、上等の作家になれたかもしれないと思ったほどだ。母は、被害妄想の多い人だった。

 確かに、父は生前、母に内緒で愛人を作っていたことがあり、別れを切り出された母は自殺を決意するほど追い詰められたことがある。
 それから、父は親戚中から説得されて、元の鞘に戻ったのだが、気まずさのなかで、もう元通りの信頼関係は築けなかったようだ。
 時間だけ過ぎて、最期まで寄り添ったように見えるが、本当の心は修復不能なほど空虚だったことを、母の妄想から知った。

 頭脳明晰だった母が、被害妄想を口走るようになり、もう私を認識できたとしても、脈絡のない妄想ばかりを叫ぶようになると、聞いている私も辛い気分に苛まれる。
 しかし、できるだけ行って、会話のなかで、断片的な記憶を頼りに、わずかでも日常性を取り戻せればいいなと思いながら病院に毎週通っている。

 このくらいになると、母は死の世界との狭間にあって、生にしがみついて最後の生命力を発揮していることに、何か意味があるのだろうかと考えざるをえない。
 こんな私でさえ、すでに認知症の片鱗が見え始めていて、パソコン将棋をやっていると、王手さえ見落として、ただ愚かに負けるための時間つぶしをしている現状のなかで、自分に生きている意味があるのだろうかと自問自答する毎日なのだ。

 人は老いる。どんなに立派な学歴や権威や財産を得ても、終末には、愚かで無力な老人になってしまう。
 だが、そうなった者には価値がない。この世から消え去るのが唯一の合理性だと考える人たちが少なくない。

 第二次世界大戦のドイツでは、T4作戦によって、「お国のために役立たない」という理由で、障害者を中心に病人も含めて数十万人の人々がガス室に送られて殺された。
 麻生太郎が「お国の役に立たないなら安楽死」と主張していることも何度も書いたが、おおむね金儲けだけを人類の至上価値と考える「新自由主義者」たちは、同じような考えを持っているようだ。

 竹中平蔵やホリエモンも、この世の金と特権を独り占めする者だけに価値があり、残りの貧しい人たちは、金持ちに吸血される以外に、生きている理由がないと考えているにちがいない。
 自民党員の多くが、そんな価値観を持っているとしか思えない。

 だが、麻生も竹中も安倍も中曽根のように老いる。いずれ、ベッドに横たえられて眠り呆けるだけの毎日が待っている。
 ホリエモンも、もうすぐ認知症が始まるだろう。誰にも分け与えないで、利己主義だけに突っ走った人生を振り返って、それでも「自分は勝ち組」との優越感に浸っていられるだろうか?

 なぜ、新自由主義のような究極の利己主義が社会を覆うようになったかといえば、それは、日本社会の一つの人生レールが「立身出世主義」であったり、「競争主義」だったりしたことが原因だろうと思う。
 「人よりも上に立つ」ことが、唯一至上の価値であるかのような人生観、世界観が日本社会を覆ったとき、それは新自由主義という究極の利己主義社会を招くことが約束されたのである。

 どうして「人よりも上に立つことが価値」なのかといえば、それは、社会に身分差別が強力に存在したからで、「人よりも下にいる」者たちへの生理的な蔑視感情が、広く社会を覆っていたからである。

 その身分差別の頂点にいたのが皇族であり、底辺にいたのが、部落民や在日、そして死刑囚であった。
 朝鮮社会には、儒教の影響で、今でも51階級の差別秩序があって、階級が一つでも違うと、威張り腐り、嘲笑するという人間性のひどい貧しさに支配されている。
 日本でも、江戸時代に朱子学という儒教が入ってきて、やはり、権力至上主義、士農工商・エタ・非人のような民衆の差別秩序を強固に作り上げられた。

 現在、竹中平蔵や麻生太郎、ホリエモンのような差別主義者が登場してくる理由は、このような差別の価値観が性格のひん曲がった彼らを作り出したと考えるべきだろう。
 だが、時代は、山本太郎のようなロスジェネ世代が主役に躍り出てきて、差別の痛みも愚かさも思い知らされている人たちが、主人公になろうとしている。
 自分の悲惨な経験から、他人に対して思いやりのある彼らが、新自由主義のような非情で愚かな価値観を前提にした社会を作り出すとは思えない。

 私を嘲笑、小馬鹿にすることに使命感を燃やしている岩田という医師がいることを何度か紹介したが、人生に対する深い洞察力を身につけたロスジェネ世代が主役のなかでは、彼は最悪の侮蔑対象にされてしまうにちがいない。
 いつになったら、自分の愚かさに気づくことやら……。

 友人の兄が数日前に手術を受けた。
 直腸に深刻な癌が見つかって、大腸小腸の多くを切除したそうだ。彼は、珍しい遺伝的難病で、施設で全面的な介護のなかでしか生きてゆくことができない。
 もし、日本がT4作戦を実行したなら、真っ先に殺されてゆくのかもしれない。
 しかし、人間の土台は、非情に優秀であり、繊細な感性を持った人だ。もし両手が動けば素晴らしいピアニストになったかもしれない。だが、手術の後は、人工肛門をつけて施設という鳥かごのなかで人生を終えねばならない。

 彼の障害の原因は、たぶん両親の近縁度によるものと考えるが、このような遺伝病は、これから日本おける深刻な課題になってゆくにちがいない。
 理由は、2011年に起きた、東京電力が起こした原発事故である。

 このとき、チェルノブイリ事故の数倍という放射能が環境に拡散された。その放射能は、一見、空間線量が下がって消えたように見えるが、実は、82%も残っていて、それは沈降して土壌に取り込まれ、土壌の遮蔽効果によって線量が下がったにすぎない。
 ちょうど作物が根から養分を吸収する20センチ前後の深さにあって、芋類などを汚染してゆく。

 こんなものを食べてゆくと、長い時間をかけて内部被曝を起こし、心臓や血管系、生殖腺を被曝させ、遺伝障害を起こす大きな原因になってゆく。
 内部被曝が近親婚と同じよう遺伝上の問題を引き起こすのだ。それは、甲状腺など遺伝難病を大量に発生させる。免疫障害病、膠原病や多発性硬化症などを多発させる。
 間違った遺伝情報を大量に作り出し、日本民族の未来を暗黒に貶めてゆく。
 
 私自身もIPFという難病にかかり、先は長くないのだが、日本中病気だらけという恐ろしい現実が目前に迫っていて、これをデマと決めつける安倍政権信者も多いのだが、私はデマでない証拠を山ほど提示することができる。

 これからの日本社会は、遺伝病との戦いに明け暮れる社会になるだろう。
 フクイチ放射能で汚染された土地で育った子供たちは、一見、まともに見えても遺伝上の欠陥を抱えた者が増えている。

 そして、自民党政権が、子供たち、若者たちを経済的に弾圧してきたことにより、老人たちを支える若者たちが激減している。
 日本社会は、老人と障害者ばかりという気の毒な有様が約束されている。これは自民党政権がそうしたのだ。
 そして原発事故の尻拭いを、東電が行うのではなく、すべて国民に転嫁して、生活をますます圧迫している。

 黄昏、斜陽の日本社会では、障害者を認知症に冒された老人たちが介護してゆかねばならない。そうして、世界に遅れをとって滅亡してゆくのだ。
 弱体化した日本の領土を狙って、ロシアや中国も侵入してくるだろう。自民党、新自由主義者たちは、大変な世の中を作り出したものだ。
 子供たちを大切にしない、保守・ネトウヨ・自民党が何をもたらしたのか、我々は思い知らされることになる。
 

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