日本社会を根底から完全破壊する新自由主義

 日本は悪くなった…… 昔の助け合い社会を知る老人たちは、一様に口をそろえる。

 いったい何が原因で悪くなったのか?  世の中を眺めて、時代の推移を見つめてきた者たちには、結局のところ「拝金主義」の蔓延ということに落ち着くだろう。

 「金だけがすべて」という価値観のことを「拝金主義」という。
 人生の目的が、金を貯め込むことと考えている人たちのことを「拝金ゾンビ」という。

 資本主義体制というのは、企業が収益をあげながら経営を続ければ、雇用が生まれ、貧しい人々にも、利益がしたたり落ちて全体が豊かになるという幻想を前提にしている。

 しかし、社会主義体制が、必ず起きる官僚制度の腐敗を計算に入れずに、現実のドロドロした人間関係を無視して理想の屁理屈だけを並べた結果、この世の理想を実現したはずの社会制度が、官僚マフィアの集金装置としてだけ機能して、国家基盤を崩壊させ、ソビエト連邦のような崩壊に至った姿を我々は見せつけられた。

 中国のように、政府役人が、自分たちの巨大な利権装置をつくって、社会主義国家の名を騙りながら、実際には、官僚利権集団による独裁国家にすぎない例を見せつけられた。

 資本主義もまた同じで、企業の競争に任せて、勝手にやらせれば、市場原理により、何もかもうまくゆくという幻想の結果、トップにいる経営陣が自己利益誘導だけに走ってマフィア化し、利権や蓄財のために、あらゆる国家制度を利用しながら、腐敗に陥って自己崩壊する本質を誰も見ようとしていなかったのである。

 すなわち、企業は競争で勝ち進むうちに、金儲けしか目に入らなくなり、利益至上主義に陥り、社会性を見失って拝金ゾンビ化する姿=資本主義の正体を、いやというほど我々に見せつけてきた。

 こうして、企業や国家の組織のなかで利権や地位を手に入れた人間性の低い連中が、金儲けだけに目がくらみ、社会の未来を考えず、人類全体の利益を無視し、地球環境さえ崩壊させ、利己主義的利益誘導=拝金主義に突っ走る姿を、我々はうんざりするほど思い知らされているのである。

 いったい、なぜ、組織が腐敗してゆくのか? 組織の中で利権や地位を手に入れた者たちは、なぜ「拝金ゾンビ」と化してゆくのか?

 政府の経済政策の本質を見渡してみよう。

 なんでもいいから、企業を操業させ、商品を売りさばいてれば、勝手に利益が転がり込んでくるという信仰が資本主義である。
 政府は、企業の操業のために、融資や補助や、あらゆる手段を講じることが義務であるかのように思い込んでいて、日銀も「景気高揚」のためだけに存在しているといってもいいほどだ。

 資本主義が未熟だった19世紀頃には「作れば売れるのが当たり前」と考え、製品の原料資材を確保することが政府の務めであるかのように思う、いわゆる「原始資本主義」的な発想(セイの法則)が欧米資本主義社会にはびこっていた。

 やがて、恐慌が繰り返されるようになると、ケインズが「問題の本質は、商品供給力ではなく需要である」と指摘し、「どうやって需要を拡大させ、維持するか」が経済学の柱となった。

 需要というのは、大衆の購買力を上げることで拡大するのであるから、減税や賃上げ、公共投資によって社会全体に金が回るようにしなければ景気は向上しないというのがケインズ経済学の本質であって、自民党、安倍麻生の阿呆どもに聞かせてやりたい。

 ケインズ経済学を信奉したルーズベルトは、第二次大戦後、雇用拡大、公共投資を大規模に進め、それが成功して、1950年代から「古き良きアメリカの時代」と今でも、アメリカの共和党支持老人(リバタリアン=保守主義)たちが懐かしむ、アメリカ史上、最大の繁栄の時代がやってくる。
 ここで古い意味でのアメリカンドリーム社会が成立するわけだが、どのようなものだったかは、アメリカ車の時代変遷を見れば容易に理解できよう。

 しかし、やがて恐慌連鎖を戦争による激しい浪費(軍需)で克服し、際限のない繁栄が続くかにみえた1970年代、オイルショックを契機に、アメリカでは賃金が上がらず、インフレばかりが進むスタッグフレーションの時代がやってきた。

 再び、1930年前後のような苦しみの時代になると、この原因について、政府や官僚機構が肥大し、何をするにも莫大な経費がかかるようになったせいであって、政府機能を大幅に縮小し、規制も必要最小限にまでスリム化すべきだというミルトン・フリードマンの新自由主義思想が登場してくる。

 この思想は、実はロシア革命を支援したユダヤ人大富豪アーマンド・ハマーがアメリカ共産党を作り、その後継者たちのなかから生まれた米新左翼が奇っ怪な変形を遂げてネオコンといわれる極右勢力になり、フリードマンに賛同して、拝金思想のための国家主義を主張した流れのなかにあった。

 フリードマンの思想は、ケインズ経済学の全否定であった。ケインズは、企業の独善的な横暴を国家が抑制し、労働者の利益を守り、社会全体に金を回すことが、経済の基本であるべきという思想だったが、フリードマンは、規制があるから競争が阻害され、資本家が自由な投資と金儲けができる環境が損なわれ、よって不況が成立すると、不況を政府規制のせいにしてしまった。

 人間は自由なのであるから、やりたい放題にさせれば、自然に秩序が生まれるという思想だった。これが、現代資本主義=新自由主義の根幹にある発想である。

 フリードマンは、ここで巨大なすり替えを行った。
 資本主義というものは、人間社会の円滑な運営による社会的要請から定まるものではなく、個人の金儲けの自由によって定めるという問題のすり替えである。

 金儲けこそ、人類の価値のすべてであると決めつけるのがフリードマン流新自由主義であって、金儲けの自由を守ることこそ、真の人間的自由の体現であり、世界中の富を集めた人間は、人類を滅亡させる権利さえ与えられるかのような主張をしはじめたのである。

 新自由主義が要求する自由とは何か?

 金儲けの自由であり、社会を荒廃させる自由であり、戦争の自由であり、労働者を窮乏化させる自由であり、地球資源を浪費して枯渇させる自由であり、環境を破壊して人々を苦しめる自由であり、子供たちの未来を破壊する自由である。
 「人間は自由だ、人類を滅亡させる自由だってある」と言わんばかりだ。人が窮乏することも、残酷な運命に翻弄されることも、保証された自由のうちであると言った。

 日本にアメリカ流新自由主義を導入した中心人物である竹中平蔵の、この発言がすべてを物語っている。


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 実際に、世界最大級の大金持ちである、ビルゲイツは、世界中の農産物の種を北極の施設に保管するとともに、ゲイツのお仲間であるモンサントやデュポン、カーギル、ベクテルなどロックフェラー系企業と手を組んで、食品安全近代化法という詭弁の塊のような法律を作って、民衆が大昔から保管している自然種苗の使用を禁じて、巨大企業の供給する自家採種できないF1種苗だけを使わせ、いつでも自由に食料供給を停止して人々を餓死させられるシステムを作り上げている。

 政府による規制や社会保障を撤廃して、大金持ち=投資家が、国境の壁を越えて自由に金儲けできる社会、持たざる国民の権利と人生を、大金持ちが金儲けのために押し潰す社会、これこそ新たなグローバリズムと呼ばれる新自由主義=新資本主義である。

 国民が窮乏にあえいでも、お構いなし、自然環境が悪化して、子供たちの未来が絶望に閉ざされても関係ない、何はなくとも自分たちの金儲けを保証せよちいうわけだ。

 フリードマンの新自由主義を信奉したのがロナルドレーガンであり、マーガレットサッチャーであり、中曽根康弘であった。
 これも1970年代のことで、80年代に入ると、自民党の全議員が繰り返し新自由主義の洗脳教育、薫陶を受けることになり、政府を小さくして公的規制や官僚の関与を減らし、あらゆる社会保障を削減し、高額所得者への課税を大幅に減らし、貧乏人から税金をかすめ取るため「広く薄く課税」という詭弁を小泉純一郎らが、しきりに使うようになり、消費大増税が実現していった。

 前項で述べた竹中平蔵は、ハーバード大学でフリードマン思想の薫陶を受けた日本流新自由主義の核心人物といってもよく、小渕・小泉・森・安部・麻生政権でも新自由主義による規制撤廃、公的企業体を民営化すること、そして格差拡大を指揮し続けている。

 竹中の、もうひとつの顔は、派遣事業最大手のパソナの取締役会長であり、労働者解雇の法的規制を撤廃し、日本から正社員をすべて追放して派遣社員に切り替え、自社の管理下に置きたいという目標が鮮明に見えている。

 したがって、安倍政権での経済政策も、労働規制を解除して、労働者を解雇しやすくする政策が基本であり、彼の主張する政策が、すべてパソナの利権を拡大する結果になっている。
 つまり、政治家としての竹中が、自分の経営する企業の利益のために働くという悪辣な姿勢に終始している。

https://blog.goo.ne.jp/raymiyatake/e/1e461d05052fedf9a36f97f95b228d51

http://news.kodansha.co.jp/20160404_b01

 レーガノミックスを剽窃したのが安倍晋三によるアベノミクス(通称アホノミクス)であるが、その姿勢は、いずれも「ケインズ憎し」に尽きる。

 公共事業による生産パイを拡大し、労働者に利益を還元して、社会全体の商品需要を拡大するというケインズ経済学の基本理念は、安部や麻生には、まったく理解できないし、クルーグマンが懇切丁寧に直接、安部に対し、消費増税が景気を決定的に破壊することを説明したが、彼らには理解できる知能が存在しなかったのだ。。
 労働者に金を与えることは、自分たちに回される金を削ることであるという宗教的被害妄想に完全に洗脳されきっているのが、自民党の政治家たちなのだ。

 まさに、安部・麻生の発想は、「左翼が労働運動を通じて、自分たちの利益利権をかすめ取ってゆく」という強烈な被害妄想に尽きるのである。
 景気向上のため、労働者に利益を還元だって?
 「びた一文出すものか!」
 という安部・麻生の肉声が直接聞こえてきそうだ。

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No title

子どもの時には、学校で大恐慌への対応としてのケインズの公共事業政策を習いました。
ですが、いつ頃からでしょうか?
アメリカが不況を脱出したのは、戦争経済のおかげだと言う、言説を見るようになりました。
(そういうプロパガンダと安倍氏らが推進する戦争できる国作りを見るにつけ、
「ああ。日本は・・・自民党の本当のオーナーは、戦争がしたいんだな。」と、感じるようになりました。)

東海アマさんの説明で、ケインズが公共事業だけでなく、労働者の権利や給料、税制まで書かれており、非常に感心しました。
何故なら、アメリカを専門とする学者の本で、初めて知った事柄だったからです。
それが、さらりと書いて有るのです。
とても感心しました。
無知であれば有るほど、この凄さは、理解できないでしょうね。


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