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 民俗学における原理と展開

 漫画誌ヤングジャンプの人気連載、キングダムは、秦の始皇帝に関連する物語である。
 これが我々の心を掴むのは、実は、始皇帝の子孫こそ、日本人の一つのルーツであることがはっきりしているからだ。

 秦国は、始皇帝後、わずか数十年で滅亡し、臣民たちの一部は、それから400年後に建国された弓月国を経て高句麗(満州)方面に移動したと考えられる。
 彼らは、ツングース騎馬民族であり、氏姓に先祖地を名乗る習慣があって、弓月氏または秦氏と名乗っていた。
http://tokaiama.minim.ne.jp/rekisi/hataoukoku.pdf

 民族的にはツングース系女真族であると考えられるが、先祖地と考えられる弓月国(クンユエ=AD200~500?)、日本書紀における弓月君の記述AD284頃なので、建国後、100年近くを経て、国内で大きな抗争が起きて、追い出された人々が移動してきたようだ。

 秦はBC221年、史上初めて中華全土の統一を果たしたが、BC210 秦王が死亡、BC206に項羽や劉邦によって滅亡させられる。
 私は、おそらく、秦国から弓月国の前の地(匈奴やフン族の駆け回る荒野)に向かい、建国後、何らかの事情で高句麗に移動したと予想している。

 弓月国の位置は、現在のキルギスタンやカザフスタンを包摂するもので、相当に大きかった。しかし、以前はネットで容易に得られた情報が削除されてしまい、正確な地図を示すことができない。

 今、キルギスタン人を見ても、日本人に非常に似た人が多く、とりわけ島根県、鳥取県には、まるでキルギス人ではないかと錯覚するような人相が多い。

 アカーエフ元大統領も、コサックの侵入による混血でロシア化していても、やはり日本人に近い人相である。
 彼らが日本人に似ているのではない。日本人のルーツなのである。

kirugisu2.jpg
kirugisu.jpg

 秦の始皇帝も民族的には漢族からは遠く、中央アジア騎馬民族であったとの記述があったはずだが、最近、ネットで、天皇家の由来に関する情報が続々と削除されて、弓月国の正確な地図さえも消えてしまっている。

 今回は、文献史学を問題にするのではなく、民俗史学の立場から、秦と秦氏、そして天皇家の謎に迫ってゆきたい。

 以下はBC200年代に使われた始皇帝の行幸馬車である。
 
sikoutei1.jpg

 これは始皇帝兵馬俑の出土品であるが、 極めて精密、現代の馬車と比べても、古さは感じない。つまりBC200年代には、すでに馬車は完成の域に達していた。

 これは何を意味するのか? 馬車の本質は車輪であり、車輪の本質は回転力である。秦は「回転力」を自由自在に操ることができたことを意味するのである。
 
 秦氏は、北陸山陰地方に上陸して琵琶湖沿岸に拠点を構えた。琵琶湖が物資輸送にとって極めて利便性の高い土地だったからである。
 現在の秦庄という地名は、秦氏の拠点だったことを意味している。
 秦氏は、騎馬民族王朝が、最初、奈良に展開したものの、秦時代から獲得してきた本質的な文明、文化を自由自在に展開できる場所を探し、やがて、大津の峠を越えた向こう側に巨大な湿地帯があることに目をつけ、ここを埋め立てて平地にした。

 平地というのは、車輪を使う上で前提になる条件であり、京都という広い平原のなかで、秦氏は、はじめて自由に車輪=馬車を利用することができるようになった。
 また、秦氏の持ち込んだ土壌改良・舗装技術も、泥濘地を作らないで安定した駅馬車運用を可能にする、優れた土木技術であった。おそらく、これも秦時代からの遺産であろう。

 もう一つ、秦庄から東に向かうと、すぐに鈴鹿山地になるが、ここに永源寺町(東近江市)があり、君ヶ畑という集落に全国の木地屋の根源地があった。
 秦庄から、わずか数十キロで、同じルーツの人々が住んでいる土地である。

 木地屋の命は「轆轤」と刃物である。実は、轆轤は車輪と、ほとんど同じものと言っても良い。車輪は、そのまま轆轤になり、轆轤を扱っていれば車輪を用いるのも容易である。
 つまり、轆轤は明らかに秦氏の持ち込んだ技術であって、木地椀を生産してきたのも、秦氏の生活の延長上にあると考えることができる。
 木地屋が、全国に移動するときAD859年 君ヶ畑小椋に移住した清和源氏、惟高親王からの系図を示すのだが、これも間違いなく秦氏の人脈である。

 一方で刃物の方も、実は秦氏が朝鮮経由で持ち込んだ可能性が強い。
 永源寺町から、わずか10キロ程度に蒲生郡日野町という小さな町があるが、この名前は日野=火野を意味し、何かというと古代のタタラ場であったことを意味している。だからこそ、戦国時代には、全国最大の精密鉄砲メーカー、国友が、やはり数十キロしか離れていない長浜に成立している。
 今でも、さらに北に向かった福井県では、戦国時代からの伝統を引き継いだ国内有数の優れた刃物産地である。

 このような視点でみれば、刃物と轆轤と車輪とは、すべて秦氏による移入と開発であると理解できるだろう。

 さらに、車輪をもう少し進めると、滑車という技術が見えてくる。
 秦氏が渡来してからというもの、日本全土の古墳が、小さな円墳から巨大な前方後円墳に劇的に変化したわけだが、これには土木技術の革新が必要であった。

 古墳に使われた大きな石を運搬して高く積み上げるには、想像を絶する高度な技術が必要とされ、弥生人王朝では、背中に背負った土嚢を積み上げた土塁を大きくしながら円墳を作る能力しかなかった。
 だが、秦氏は、巨大な石を操る技術を持っていた。

 石を運ぶには修羅という頑丈なソリに乗せて、下にコロを置いて差し替えながら引っ張れば移動する。
 水中を移動させるには、筏に修羅ごと石を乗せればよく、浮力を増すには樽をくくりつけたりする。エジプトには強力な浮力を持ったパピルスがあったので、樽を必要としなかった。
 樽の発明前には、桐などの浮力の大きな軽い木を用いたのかもしれない。

 さて、問題は、1トンを超えるような巨石を高い位置に積み上げる方法である。
 長い傾斜が得られるなら、修羅に乗せて力任せに引き上げるのも良いかもしれない。しかし、狭い山上で積むには、高い技術が必要である。
 このとき、車輪=滑車の技術が役立つ。
kassya1.png
 この図では、引き上げる力を6分の1にすることができる。
 このような技術を用いれば、数トンの巨石も、数十人の力で引き上げることが可能になるのである。
 これも秦氏の持ち込んだ車輪技術の延長にあると考えるべきであり、彼らは土木技術者として、現代人さえも及ばない、凄い技術を持っていたのである。
 
 民俗学の視点から考えれば、例えば、優れた弓を発明するということは、バネを発明することに等しい。
 この技術も普遍性の高いもので、投石機など、あらゆる武器に応用可能である。バネは、やがてゼンマイの発明へと進化し、時計やオルゴールなどに変化してゆく。
 また牛車・馬車のクッションにも役立ったかもしれない。

 さらに原理的に戻れば、着火と刃の発明が、人類史をどれほど劇的に変化させたか、誰でも理解できるだろう。

 火と刃は、すくなくとも縄文時代前期どころか、原人時代にさえ発明されていた痕跡があるが、秦氏は、これをタタラに進化させ、打刃物へと発展させた。
 刃に関しては、最初、打製石器、やがて磨製石器へと進み、鉄の発見により鉄器となり、工夫の大好きな日本人は、玉鋼による超硬度特殊鋼の発明にまで至ってしまう。これが実現したのは、おそらく平安・鎌倉時代のことであろう。

 なお、玉鋼が登場するまで木地作業に使える刃物がなかったか、といえば、そんなことはない。
 打製石器のなかには、黒曜石のようなガラス質の耐久性の高い刃として使えるものがあり、これでも十分に、轆轤で木地を加工することができた。
 縄文前期に、諏訪蓼科山周辺で採取された黒曜石が、全国で使われていた証拠があり、この種の鋭い刃は、たくさんの発明や生産に関与しているのであり、玉鋼の技術は、もちろん木地物の進化とともに、戦場における武器の進化をもたらしたのである。
 

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南アルプス

旧HP、ツイッター、新HP、と、いつも勉強させていただいております。いつもありがとうございます。

さて、南アルプスのリニア貫通が困難な件ですが、先日、自動車評論家の清水草一さんのブログで、中央自動車道が過去に同様の南アルプス貫通をやろうとして結局困難になり、長野北部迂回ルートとなった話が書いてありました。これを読んで東海アマ様が書いておられる内容の信憑性の高さに感服いたしました。

今後とも貴重で多彩な情報をよろしくお願いいたします。

No title

言霊の幸きはう、と万葉で歌った山上憶良は本歌に続き良医の一人の秦氏を渤海郡出身と言っている。京都の太秦の一角に秦氏の寺は国宝級の物を見せ入館料は高く境内には仏的十戒の色紙が展示される。
津田左右吉は国民思想の研究で秦氏は歴代税の収納を任されたと記述する。
種子島鉄砲伝来以降、日本は射程距離を長くする技術開発を行ったが、機関銃や大砲の発明には至らなかった。知能は余り高くないようだ。秦氏ら渡来人の知恵に限界があるのか、故意に遅らせたかだ。天皇は替え玉でもなんでも構わない、祭っておけばいいからだ。役人と同じで、汁が吸えればいい。畑氏でも畑違いでも構わない。
調査検討することは山ほどある。
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