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環境放射線測定の誤解

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 外務省がHPで福島、ソウルなどの放射線量掲載 韓国内での懸念払拭へ
  https://www.zakzak.co.jp/soc/news/190925/pol1909250005-n1.html

   外務省が在韓国日本大使館のホームページで、東京や福島、韓国・ソウルなど4都市の放射線量の掲載を始めたことが25日、わかった。両国内の放射線量に差がないことを示し、東京電力福島第1原発事故以降の放射能汚染に対する懸念を払拭するのが狙い。原則として毎日更新し、韓国語でも閲覧できる。

 掲載は東京・新宿と福島県福島市、いわき市、ソウル市で、国や自治体が公表したデータを用いる。24日午後0時時点では、ソウル市が毎時0・119マイクロシーベルトだったのに対し、新宿は0・036マイクロシーベルト、福島市は0・132マイクロシーベルト、いわき市は0・060マイクロシーベルト(同市のみ測定機器の点検のため20日午後0時時点)と同水準だった。

 外務省は24日から掲載を始め、前外相の河野太郎防衛相は同日、自身のツイッターに「韓国において日本の放射線量についての関心が高まっていることを受けての対応」と書き込んだ。

 韓国政府は8月、日本産の一部の加工食品や農産物計17品目に対する放射性物質の検査を強化。韓国内では来年の東京五輪・パラリンピックに絡め、福島県産の食材に対する懸念の声も上がっている。 (産経新聞)

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日本政府は、韓国政府による放射能汚染問題告発への意趣返しとして、在韓日本大使館のHPにて、ソウルの環境放射線量の継続的測定と公表を始めた。

 https://www.kr.emb-japan.go.jp/people/news/jisin_news_monitoring.html

 これによれば、ソウル市内の環境放射線量(ガンマ線)は、0.1マイクロシーベルト毎時を超えているが、東京は0.036マイクロ毎時になっている。これは事故前の値に近い平常値である。

 つまり、「ソウルの放射線量は、日本よりも、はるかに高いじゃないか」と言いたいわけだが、環境放射線の測定については、日本政府は、ずいぶんひどい誤魔化しを常態化させているので、注意を喚起するために書くことにする。

 まず、9月26日、16時半頃、手元にあったガンマ線測定器で、我家の室内テーブル上で測定した値を掲示しておく。
kankyou3.jpg

 
使った測定器は、左からテクノエーピー社のTA100U、これは簡易的なスペクトル測定器である。パソコンに接続してスペクトルグラフを表示できるが、普通は携帯式のガンマ線空間線量測定器である。毎時0.16SVを示している。
 http://www.techno-ap.com/seihin_TA100.html

 次が、CDクリエーションオリジナルのGM測定器で、0.19SV/hを示している。このタイプは、一番一般的な小型GM管を使っていて、比較的精度も高い。

 その次が、ロシア製のRADEX-RD1503 で、CDクリエ製と同じGM管を使用している。
これは0.18SV/h  プラスマイナス0.3μSv/h 程度の誤差は、どの測定器でも普通に出る。
高級機種にはGM管を2本使用しているものがあり信頼性は高い。さすが放射能汚染先進国の製品である。

 一番右側が、シンメトリックス社製の環境放射線測定器、IFKR254 で、極めて信頼性が高い測定器で、すでに5年近くも常時電源を入れて環境放射線測定を続けている。
 しかし、今の値は、0.261μSv/h と驚くほど高い。

 どれを信じたらいいのだろうか? これが実は大変難しい問題なので、基礎知識をしっかり理解する必要がある。

 テクノ社のTA100u は、珍しいカドミウムテルル半導体測定器を利用していて、分解能が3%と素晴らしく高いのだが、残念ながらGM管に比較して感度が低いのと、値が安定するまで10分以上かかる問題がある。
 空間線量が0.2μを超えるレベルのセシウム汚染がないと、明瞭なピークが表示されない。
 今、スペクトルを表示させようとしたら壊れて動かなくなった。

 小型GM管機種2台は、おおむね同じ値を示すことが多く、非常に感度も高く、信頼性は高い。しかし、これも表示が安定するまで、最低三分は必要であり、スイッチを入れて1分以内の測定値はまったく信用できないことを知っておくべきだ。
 もう一つは、長い間使用していると、GM管の特性として、数値がやや上昇する傾向にある。また極めて高い線量下では、「数え落とし」により数値が下がる傾向にある。
 測定窓が雲母で作られている測定器はベータ線も測定することができるが、トリチウムを測定できるGM計は存在しない。

 IFKR254は、技術的に難しいCSI=ヨウ化セシウムシンチレータを使用している。このメリットは、温度ドリフトが少なく、気温による測定値の変化が少ないことだ。
 一般的なNAIシンチ測定器は、温度変化による測定値が不安定である。
 254も、ちゃんと校正してから出荷しているはずなのだが、他の測定器に比較して、高い値を示すことが多い。しかし、測定器としての総合的な信頼性はダントツである。

 パソコン画面は、254のスペクトルだが、ピークが見えるのはK40=1460KeV であり、我が室内被曝の大半をカリウム40が占めていることになる。
 実は、当地はトリウム鉱山(薬研山)山麓なので、トリウム系列のガンマ線も多い。
 長期間測定してきた範囲で、室内の平均線量は0.2μSv/h前後と、普通よりもはるかに高く、福島の汚染地なみだが、これはフクイチ事故前に、日本一の環境線量で知られていた蛭川村の一般的な数値である。
 
 高い理由は、家が山腹にあって、裏側が山肌になっているので、下からだけでなく後ろ側全部からも土壌のカリウム40ガンマ線が押し寄せるせいである。
 山側に硅酸カルシウムボードを貼って遮蔽したが、あまり下がらなかった。
 一般に、花崗岩地帯=例えば岡山・広島などでは東京のローム土壌に比べて空間線量が高いのが普通である。
 
なお、カリウム40は、生物が地球生成期から何億年と浴び続けてきて、十分な適応時間を経た結果の核種であり、市川定夫氏によれば、生物はカリウム40の排泄能力を確保していて、生命現象にマイナスに作用することは非常に少ない。
 遺伝的淘汰のメカニズムにも、関与している疑いもある。
 http://www.yasuienv.net/Potassium40.htm

 さて、冒頭の韓国ソウルの高い線量についてだが、これが核開発や原発由来であるかは、きちんとした調査をしない限り結論を出すことはできない。
 254を持参して、スペクトルから核種ピークを調べ、そこにセシウムやテルルが含まれれば、はじめて「放射能汚染」と決めることができる。

 しかし、朝鮮半島は世界最大級の花崗岩地帯であり、本来、花崗岩由来のトリウム系列・ウラン系列の自然放射線を大量に含んでいるので、環境線量が高いのが普通であると考える。
 ちょうど、私の住む蛭川村も花崗岩地帯であり、韓国と同等と予想している。蛭川では0.2μSv/h の場所など普通であって、おそらく韓国の花崗岩地帯(ソウルを含む)も、そのくらい、あっても何の不思議もない。

 それなのに、ネット上のネトウヨ言論界では、韓国が放射能汚染されていると声高に叫ぶコンテンツがたくさん出ている。
 https://www.youtube.com/watch?v=-ey4xb-qr9I

  https://www.youtube.com/watch?v=qRor3eYeaI8

 https://www.youtube.com/watch?v=oPC9VSqrPs0

 これらの多くは、朝鮮半島が放射線量の高い花崗岩地帯である予備知識がないのだろう。また、ソウル程度の環境線量は、広島や岡山では全然珍しくもないし、全国の花崗岩地帯は、すべて同じである。

 また上の動画の測定風景を見ていると、GM管測定器の値が安定するまで3分以上かかることを理解していないと思われるものが多い。
 環境放射線の測定は、一般的に地上高1メートルで行うものであり、どこかの馬鹿(阪大教授)が万歳して高い位置で測定していたが、これでは、高くする分、遮蔽が増えて比較できる値にならない。

 あと、どうしても理解して欲しいことは、フクイチ事故後、8年を経て、汚染された各地の値が平常値に戻っているといわれるが、これは事実を著しく歪曲している。
 放射能汚染土を移動して、汚染されない深い土壌が地表に出ていれば、もちろん線量は下がる。しかし、土壌除染を行っていない場所の放射能を調べると、半減期の理論値(セシウム137は約30年)どおりの結果であり、事故から8年では約8割が残っている。

 非除染地で、環境放射線値が下がっている本当の理由は、セシウムが汚染後、10年程度で土壌を10~20センチも沈降し、土壌の中の泥質、ゼオライト質に吸着され、土壌の遮蔽によって下がったのである。
 それを、あたかも「放射能が時間とともに消えた」ような虚偽の説明を、政府や福島県が行っているのは、重大な欺瞞である。
 東京電力が環境に放出した放射能は減ってない! 未だに、作物の根が土壌中のセシウムやストロンチウムを吸収して、それを食べた人々に内部被曝をもたらし続けているのである。

 これまでは、セシウムXによる内部被曝が問題だったが、これからはストロンチウムXによる内部被曝が問題になってくる。
 ストロンチウムはカルシウムと同じ性質を持ち、その生物毒性は、セシウムの300倍と評価されている。

 じわじわと環境水に溶け出して、地下水や表流水を汚染し、それを体に入れた人々に、骨や内臓の深刻な病気、膵臓癌・糖尿病・白血病・骨癌などを発生させる。
 セシウムに比べても、その潜伏期間は10年以上と非常に長い。我々はセシウムによる心筋梗塞や脳梗塞=循環器障害、筋肉・靱帯などの障害が一段落しても、その後に、桁違いに毒性の高いストロンチウム内部被曝と戦ってゆかねばならないのだ。

 残念ながら、ストロンチウムは、上に示した私の測定器では測定不可能であるが、政府や関係機関は、被曝伝聞の拡散を怖れて隠蔽の一途、測定さえしようとしない。
これによって起きることは、「民族の滅亡」であることを理解する必要がある。

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