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届いた手紙への返信(返信先不明のため)

カテゴリ : 未分類

 

 18日、我が家のポストに以下のような内容の手紙が届いていた。返信先の住所・氏名が書かれていないのでブログで公開することにした。
 この種の被曝防護に対する知識の啓発をする必要を感じていたので、良いタイミングだった。

以下、クリックすると全部見えます。

tegami1.jpg

tegami2.jpg




 私は、エネルギープラントに関連した現場での作業経験が数年以上あり、ある程度、作業内容も理解できるので、現場作業員の立場から判断させていただく。

 結論から言えば、大多数の作業員は、このイラストを見た瞬間に、強烈な拒絶反応を示すだろう。まったく作業不能どころか、構内の歩行さえ不可能だからだ。
 おそらく、考案者さんは、現場の仕事をほとんど知らない机上生活の方だろうと思う。

 しかし、現在、東電や国が作業員に強いている防護服も、「ないよりマシ」程度のものにすぎない。積極的な意味での放射能・放射線防護としては失格である。
 この点を原理的に、読者に知っていただくためには、良い機会だと考えた。
 
 まず、放射能漏洩事故現場での、安全対策に必要な基礎知識を知らない人が多すぎる。
 現場に存在する「人に危害を及ぼす危険因子」は、ガンマ線と中性子線、それにアルファ線とベータ線である。

 この真実の危険度は、原子力産業が公開しているICRP準拠の危険度とは大きく違う。
 ICRPは被曝事故の恐怖を隠蔽する目的で、外部被曝におけるガンマ線ばかりを前面に出しているが、本当に人に大きなリスクを与えるのは、ガンマ線よりも、内部被曝を与える放射能のアルファ線・ベータ線である。
 さらに核分裂事故では、それらよりも桁違いに危険度の高い中性子線が存在している。

 ただし、中性子線は、核分裂が起きている間だけ放射されていて、核分裂が収束した後は、中性子によって放射化(アイソトープ化)された、環境物質の放射能が問題になる。
 例えば、台所の食塩は、中性子が当たるとナトリウム24という、恐ろしいエネルギーを持ったアイソトープに変わってしまい、食べると被曝する塩になってしまうことは知っておかねばならない。

 外部被曝におけるガンマ線問題が、放射能被曝問題のすべてであるかのようにいわれているが、これはIAEAやICRPが原発事故の被害を矮小化するため、被曝問題を隠蔽する目的で流布している捏造された情報である。

 政府は、事故後、たくさんの街頭線量計を設置してガンマ線量を公開したが、実は、これは無意味なことで、本当に必要な情報は、外部線量よりも、食品や飲料水の放射能レベルだったのだが、福島県の食品測定は、一貫して捏造矮小化に満ちていた。

 ガンマ線はエックス線と同じもので、波長がエックス線より短いものが多いが、その分、体を突き抜けやすく、細胞内における実害としては、細胞内に入ってしまったベータ線・アルファ線よりも、はるかに弱い。

 ガンマ線は、体内を透過するとき、電離作用によって細胞を損傷するが、このとき細胞内にフリーラジカルを生成したり、DNA鎖を切断したり、核酸を崩壊させたりの作用を示すが、一番問題になるのは、DNA二重鎖の切断で、染色体二重鎖が同時に切断されると、もはや修復が困難になって、癌細胞のイニシエータになることもある。

 しかし、これらの作用が顕著に始まるのは、累積100ミリシーベルト付近からといわれている。累積10ミリシーベルト以下では、自己修復作用が働く場合が多いが、それでも線量に応じた被曝損傷は必ず起きる。「100ミリ以下では閾値があって何の作用もない」という閾値説は真っ赤なウソである。

 私は、中津川市の花崗岩地帯に住んでいて、我が家の室内線量は、いつでも毎時0.25マイクロシーベルト前後(年間2.2ミリシーベルト)あるが、この環境でも17年間、無事に生きながらえている。
 ただし、当地の男性は決して長寿とはいえない。おそらく被曝が関係しているはずだ。

 実は、外部被曝をもたらすエックス線、ガンマ線は、ICRPやWHOが警告するほど、危険なものとはいえない。(私は自分の体で実験したかった)
 世界には、外部線量が毎時1マイクロに達する地域も少なくない。
 以下の表では、イラン・ラムサールで、毎時換算して1.2マイクロシーベルトという環境もあり、おおむね大理石の産地、花崗岩の産地では、世界平均の数倍以上ある。
 http://www.taishitsu.or.jp/genshiryoku/gen-1/1-ko-shizen-2.html

 しかし、ICRPは、内部被曝について、故意に触れないようにしていて、それが、どれほど恐ろしいものか隠蔽を図っていると言わざるをえない。
 放射線には、放射された放射線が細胞に当たる距離が近いほど、強烈な細胞破壊が起きる法則がある。

 アルファー線もベータ線も、体の外にある限り、それほど大きな危険は生じない。(例外としてストロンチウム90の娘核イットリウム90のベータ線は、1センチ厚のプラスチック板を貫通する)
 内部被曝が恐ろしい理由は、放射能を持った粒子が体に入って細胞内で、アルファ線やベータ線を放射し、直接細胞を損傷するからである。
 このとき、細胞と放射能の距離は、ほぼゼロに近く、ほとんど遮蔽もできない。

 私の40年にわたる放射線知識から導き出した線種危険度を大雑把に書くと、
 ガンマ線・ベータ線・アルファ線 の危険度比較は、1:5:20である。
 つまり、アルファ線(ウラン・プルトニウムなど核燃料)の細胞破壊力は、ガンマ線(主にセシウム137)の20倍である。
 
 日本アイソトープ協会は、この危険度係数=RBE係数を、ガンマ線・ベータ線を1、陽子線を5、中性子・アルファ線を20と定めている。
 http://www.icrp.org/docs/P92_Japanese.pdf

 ベータ線の危険度をガンマ線と同じにしているが、これは、あくまでも外部被曝に限定した話で、ICRPもアイソトープ協会も、ベータ線内部被曝、例えばセシウムやストロンチウムを経口摂取したときの危険度から目を逸らさせるために、ベータ線の被害をひどく小さく見積もっている。

 現実には、アルファ線が20と言ったって、体内に入らない限り、ほとんど問題を起こさない。問題を起こすのは、アルファ線・ベータ線ともに、細胞内に入ってしまったときである。
 アルファ線核種は、カルシウムと親和性が高いものが多く、大半の重金属と同じように、骨に沈着して骨癌、白血病を引き起こすケースが多いのだ。

 以上、大雑把な被曝知識を前提にして、冒頭の手紙を再検討してみよう。

 事故を起こして、放射能粒子が浮遊している福島県のような環境では、一番大切なことは、内部被曝を避けることであり、事故直後、空間線量がミリシーベルト級にも汚染されていた福島県では、少なくとも100年程度は、人が住んではならないのだ。
 厳密にいえば、セシウム137とストロンチウム90が無害化されるのは、300年後、西暦2300年以降であり、プルトニウム239が無害化されるのは、人類が滅亡して、新人類が登場しても、なお無理で、無害化まで20万年はかかる。

 今のような汚染環境に住んでいれば、呼吸や飲料水、食事から絶えず放射性粒子が体内に侵入してきて、長い時間(発癌までの潜伏期間は10~40年)かけて人間を蝕んでゆく。
 まだ事故から8年しか経っていないので、福島県は、とても人が住めるような環境ではない。
 福島県に本当の放射能被害が見えるようになるには、まだまだ時間がかかる。
 すでに心筋梗塞などのセシウム障害はピークに達しているはずだが、セシウムが溶融して合金微粒子になったせいで、発現が遅れているのだろうと考えている。

 手紙の著者は、フクイチ構内における被曝作業の防護を念頭に置いているのだろうが、本来は、絶対に人が近づいてはならない環境である。
 そこに、東電は無理やり作業員を入れて、世間体を保つために事故収束作業を装っているのだが、フクイチ構内は、現在でも、数十マイクロシーベルト(ときにはミリシーベルト)のガンマ線環境と、浮遊放射能(セシウムボールなど)に満ちている。

 現在では、フクイチから50Km程度離れていれば、ガンマ線の防護は、たぶん必要ないが、内部被曝におけるアルファ線・ベータ線を体に入れない対策は絶対に必要である。
 つまりメルトダウンで莫大に生成されたセシウムボールが漂っているのだから、これを体に入れない対策が、まだ300年間必要なのだ。
 つまり、今でも福島県は人が住めない地域である。

 とりわけ、フクイチ周辺で、浮遊放射能の防御をしないのは自殺行為に等しい。
 フクイチから5Kmほど南下した大熊町東平では、平米5700万ベクレルという地球上最悪の汚染になっていた。
  http://www.radiationexposuresociety.com/archives/2935

 今でも、大熊町からフクイチ構内にかけては平米4000万ベクレル級の汚染は確実である。これはチェルノブイリ構内より多い。チェルノ周辺三国では、平米148万ベクレルより汚染がひどければ、永久立入禁止に指定されている。
 こんなところに、住民を帰すのは、正真正銘の殺人であり、自民党政権はジェノサイドを行ったと断罪される日がくるにちがいない。

 東電が作業者に貸与している作業着は、外部ガンマ線被曝を一切防護しない。本気でガンマ線を防護するには、厚さ3センチの鉛板を仕込んだ鎧のような作業服が必要になる。あくまでも、放射性粉塵を、体に付着させないだけのものだ。フードもマスクも同じである。

 冒頭のイラストによる防護服は、作業性ゼロなので、いったい何を目的にしているのか、さっぱりわからない。ただ構内に行って、ガンマ線を被曝させるだけのものだろうか? それに、数歩も歩けばこけて、自分で自分を救済できなくなるだろう。

 残念ながら、百害あって一利なしの作業キットだ。それは東電の貸与服でも実は同じで、ミリシーベルト級ガンマ線の構内で、ガンマ線の遮蔽を一切考えない東電の発想に呆れるばかりで、連中は人命を大切する視点が皆無であることが分かる。

 私は、東電が絶対に見ないことを承知で、もしも自分が作業をするとすれば、ガンマ線量・中性子線量の高い場所では、水を張った1トンコンテナを両側に高く積み上げた通路を作り、その中を移動するようにすれば、大きく被曝が軽減されると書いていた。
 また作業現場では、周囲にレンガを積めば、相当に軽減される。
 つまり、防護服で放射線を防護することは非常に困難なので、作業環境を遮蔽することの方が大切だと考えていた。

 だが、東電も政府も、見せかけが宇宙人のように異様であれば、それで防御が行われていると多くの人々を欺すことが目的だったのだろう。
 作業者も、被曝知識がないため、ガンマ線遮蔽が不可能な作業服を着て、安全なつもりでいたのだろう。
 それに、自分の経験から言えば、真夏の苛酷作業においては、マスクやフードは地獄なので、そんなものをつけるくらいなら、見えないところで外して放射能を吸い込んだ方がマシと考えるようになる。

 かくして、写真を取られたり、監督の目があるところではマスクやフードをしているが、誰も来ない場所では、防護服でさえ脱いでパンツ一丁で作業することになる。
 ポケット線量計やフィルムバッジで管理すればいいと思うかもしれないが、私が実際に放射線現場にいたときは、フィルムバッジは、身につけさせてくれなくて、現場監督が勝手に名前と日時を書き込んで、元請けに無被曝バッジを提出するのが常識だった。

 こうして考えれば、タテマエの放射線管理が、どんなに立派であろうとも、現実には、ほとんど守られないのが常識である。守っていたら「仕事にならない」のだ。
 私が目撃した恐ろしい光景として、作業員にレントゲンフィルムを持たせて、そのままガンマ線を照射していたところを目撃したことがある。
 大半の作業員は、本当に無知なのだ。だから、放射線作業員の多くが、50歳になると、まるで70歳を超えた老人のようにヨレヨレの皺だらけになってしまうのだ。

 被曝するとラジカルによって皮膚が老化することについては、自分でアーク溶接を行っていて、眼だけを防護する眼鏡で作業したら、剥き出しの顔が、100歳の老婆のようになってしまったことがあった。
 このとき、放射線の本当の恐ろしさを思い知らされたのだ。

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ついでですが、半月以上前、横浜の方から、アマゾンのギフト券1万円分のカンパがありました。
 心から御礼申し上げます。
 電話番号が書かれていなかったのでお礼が言えませんでした。誌上にて失礼します。
なお、私は、個人情報の書かれたものを、ただちに処分するので、住所録や電話の控えが存在しません。重ねて失礼します。

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